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売買のヒント

会員債権を無視する施設の売却投稿日:2009年08月27日
 ゴルフ場経営会社が、会員に対する債務を引き継がないでする施設売却は「詐害行為取消権」によりその法律行為を取り消すことが可能だ。会員に対する預託金償還の資金を得るためになす売却、つまり施設を売却し、賃貸で借り受けゴルフ場を引き続き運営する場合の譲渡は詐害行為とはならない。

 ゴルフ場施設売却で買収会社が預託金やプレーさせる債務を引き継がない限り、会員はゴルフ場施設を利用できなくなる。ゴルフ会員権は単に経営会社にもつ債権だからだ。破綻した会社が資産を新たに設立した法人に売却し、その資金で債権者に配当することがある。これと同様のことで債務を会社に残したまま資産を売却することが可能である。

 ゴルフ場施設を取引金融機関に追加担保として提供された場合も同様に取り消すことが可能である。あくまで追加担保の提供であって、新規に融資を受ける場合ではない。一部の債権者に対してする追加担保の提供は、経営会社の全体債務を減少させず、他の債権者の担保の減少になるからである。

 「詐害行為取消権」を行使するためには、その法律行為がすべての債権者に対する弁済資力に不足が生ずることを経営会社と買収会社または抵当権者の双方が認識していることを要する。このようなとき、買収会社または抵当権者を被告としてその行為を取り消す訴訟を提起できる。「詐害行為取消権」はその原因を知ったときから2年、詐害行為から20年で時効となる。

 預託金制ゴルフ場施設を売買する際、買収会社が会員に対する債務の調査もせずに買い受けるなど考えにくいので、ほとんどのケースで詐害行為となるのではないだろうか。

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